ゲームプランナー(企画職)に求められるもの

前回、ゲームプランナー(以下 企画。毎回毎回ゲームプランナーと書くのがめんどくなってきた。普段は企画と言っているので。)のやる仕事というのをざっと上げてみたけれど、企画の仕事というのは非常に多岐に渡っている。新卒だとだいたい書類選考と面接2、3回というところが多いけれど、その人が企画に向いているかどうかというのを判断するのはほとんど無理だと思う。新卒採用はかなり運と縁的な要素が強い。

問題は、入るまでより入ってから。企画として最低限必要だと思う素養が4つある。

  • 体力
  • コミュニケーション能力
  • 論理的に考える力
  • 判断力・決断力
体力

まず最初にあげたけれど、体力はほんっっと一番大事!!
ゲーム会社は一部例外を除いてだいたいどこも残業はむちゃくちゃ多い。気力体力がないと自分もきついし、同僚にも負担をかけてしまう。

コミュニケーション能力

自分の書いた仕様を説明したり、チームのメンバーと相談したり何かと交渉したりと、企画の仕事には何かと話すこと多い。人の話をきちんと聞いて理解できること、自分の考えたことをきちんと説明できること、これは企画にとっては必須。プレゼンなどもあるけれど、人前で話すのは最初からできなくてもやっていくうちにできるようになるので大丈夫。

論理的に考える力

企画というとアイデア勝負と思われそうだけれど、それだけではゲームは作れない。なにしろゲームはコンピューターのプログラムで動いているので、あるものがおもしろいと思ったら、それがゲームのルールであれ、「ジャンプした時の気持ちよさ」みたいな感覚的なものであれ、その「おもしろさ」「気持ちよさ」がどのように作られているかを分析し、ルール化し、ルーチンとして動くように仕様を考えなければならない。
また、制作開始する前の企画段階にあっても、「こんな感じがおもしろそうなんじゃな?」「いいねいいね!」なんていってノリで企画が通るはずもないので、ブレストやって最初のとっかかりはそんな軽いノリだったとしても、これがなぜおもしろいのか、どこがウリなのか、どのような人に売っていくのかといったことをきっちり説明していかなければならない。

判断力・決断力

制作中には企画が決定を下さなければいけない場面というのが多々ある。問題があったときの対策の検討、どちらの仕様の方がいいのかの選択、やるべきかやらざるべきかといった判断を、そのゲームのコンセプト・ターゲットにあっているか、スケジュール的にいけるか、スケジュールを伸ばしてでもいれるべきか、費用対効果、といった様々な要素を鑑みて決定する。その中でも重要な決定というのはディレクターがするけれど、個々の案件では担当の企画が決めていく。
優柔不断だったり、人の意見を尊重するあまりに、物事を決められずにそこでどんどん時間が経ってしまったりすると、関係者全員の対応が遅れてしまう。派生する問題などの可能性をよく考えないと、急ぎすぎるあまりに誤った判断をしてしまうこともあるので拙速もよくないけれど、基本的には判断は早いほうがいい。後になってしまえば取り返しがつかなくなることもある。

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この4つは私の考える企画として必要なものなので、当然ながら他の考えをもつ人もいると思う。「論理的に考える力」のところでも少し書いたけれど、この4つの中に私は「アイデア」を含めなかった。これはなぜかというと、アイデアがないなんて人はいないからだ。もちろん、目の付け所がよくてすぐれたアイデアをよく出す人というのはいて、そんな人を私は尊敬しているし、これは一つの才能だと思ってる。チームに一人そんな人がいると、困ったときのブレイクスルーになる。だけど、これはなかなか訓練して身につけるのは難しい。はてぶとかでもよくアイデアの出し方とかのエントリーが人気になってたりして、それはそれでもっともなことを書いてあるんだけれど、なんかこう、肝心なアイデアというのはそういうルール化されていないところから降ってくるような感じがしていて、私はまだその方法論みたいなものを自分の中で見つけられないでいる。逆に言うと、ある程度鍛えることができると思ってる。具体的な鍛え方は、長くなりそうなのでまあまた別の機会に。とりあえずは、意識することが最初の一歩だと思う。

ちなみに余談だが。人前で話すことが多いからか、企画というとなぜか明るくはつらつテンション高めで話し上手みたいなイメージをもたれることがよくある。けど、実際には意外と淡々とした感じの人とかもの静かなでおだやかな感じの人も多い。むしろ体育会系なノリの人のほうが少ない。

次回は、企画が知っておくといい知識とスキルの話にします。